PR

NIKON Z5IIで撮る室内ポートレート|外部フラッシュ Godox iT32 の活用法

Nikon Z50IIの横に置かれたGodox iT32と、喫茶店の店内で紅茶を前に物思いにふける女性モデルのポートレート カメラ

前回レビューした「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」の高い光学性能を、レトロな雰囲気の「喫茶ミムロウ」店内でさらに引き出すため、今回はもう一つの強力なアイテムを投入しました。それが超コンパクトなワイヤレスストロボシステム「Godox iT32」です。

喫茶店の室内撮影は、雰囲気がある一方で「照明の当たり方によって顔に不自然な影ができる」「逆光気味になって表情が暗く沈んでしまう」といった、特有の手間や負担がつきまといます。

こうした現場の課題を解決し、モデルの菜穂さんの美しさを引き出すための実測値として、ストロボのビフォーアフターを検証していきます。

こちらが今回使用するGodox iT32。最大の特徴は、一般的な重くて嵩張るストロボとは異なり、システム全体が非常に軽量コンパクトにまとめられている点です。

ストロボ本体はミニ三脚などに固定し、ワイヤレスレシーバーとして完全に独立させて運用することができます。

フルサイズ機のニコン Z5IIのホットシューに装着するのは、極小の送信機(コマンダー)のみ。そのため、カメラ側の重量バランスが崩れることなく、手首への負荷を最小限に抑えられます。

ストロボをカメラから切り離して自由な位置に配置できるため、手狭な喫茶店の座席からでも空間を圧迫せず、ノンストレスにテンポよくシャッターを切り続けられるのが大きなメリットです。

今回は、この小さなストロボをワイヤレスで分離発光させることで、喫茶ミムロウのどこかホッとするレンガ調の空間や、菜穂さんの瞳の輝きがどう変化するのか。

実際に「ストロボ発光なし(自然光のみ)」と「ストロボあり」のポートレート作例をフラットに見比べながら検証していきましょう。

撮影協力
Model
月野 菜穂 さん
Shooting
RARE撮影会

自然光 vs ワイヤレス壁バウンス。Godox iT32がもたらす圧倒的な透明感

室内ポートレートにおける「光のコントロール」がどれほど大きな効果を生み出すか、実際の作例で比較してみましょう。

手狭な店内の天井に光を反射させる「バウンス撮影」をワイヤレスで行うことで、写真のクオリティは一瞬で激変します。

ボタンをON/OFFに切り替えることで、ストロボなし(自然光のみ)と、Godox iT32を使用したワイヤレスバウンスの効果をフラットに見比べることができます。

外を眺める横顔でのビフォーアフター

Before

自然光のみ

窓側から差し込む光の方向に対して菜穂さんが横を向いているため、手前の頬から首筋、髪の輪郭にかけて深いシャドウが生まれています。全体的な露出は一段暗くなりますが、喫茶店のレトロなウッド調の背景と影のニュアンスが綺麗に調和しており、こちらのほうが落ち着いた店内の雰囲気がストレートに伝わってきて、非常に自然で情緒的な仕上がりです。ストロボが絶対ではないと感じさせてくれる、深みのある1枚です。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

ボタンをONに切り替えると、Godox iT32をカメラから切り離して最適な位置の壁(または天井)にバウンスさせた柔らかな光が顔全体を包み込みます。不自然なギラつきを完全に排除したままシャドウ部がフラットに持ち上がるため、肌の透明感が一気に引き立ち、お洋服のディテールも鮮明になります。過度なレタッチや色味の変更というノイズを加えず、よりクリーンで清涼感のあるポートレートに仕上げたいときには、このワイヤレスシステムが非常に使いやすいと感じます。

カップを添えた横顔でのビフォーアフター

Before

自然光のみ

紅茶のカップを口元に運ぶ綺麗なシチュエーションです。自然光のみでは顔の側面や首元、そして手前の腕全体が大きくシャドウに落ちて全体的にやや重い印象にはなります。しかし、この深く滑らかな陰影こそが、レトロなウッド調パネルの美しさと完璧に調和しており、ポートレートとして非常に質感が高く、キレイで自然なライティングに仕上がっています。映画の一コマのような渋い雰囲気を残したいときには、あえてストロボを焚かない選択が活きてくると実感させてくれます。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、壁にバウンスした光が回り込み、髪の質感からカチューシャ、そして頬のラインまでがフラットかつ鮮明に浮かび上がります。衣装のチェック柄のコントラストも自然に保たれたまま、肌のトーンだけが綺麗に一段明るくなっているのが分かります。暗く沈みがちな横顔のラインをしっかりとディテールまで描写し、よりクリーンでクリアな広告写真のようなクオリティに仕上げたいときには、確実に応えてくれるセッティングです。

振り向きカメラ目線カットでのビフォーアフター

Before

自然光のみ

菜穂さんがこちらを振り返る魅力的なカットです。自然光のみでは顔全体が日陰に入り、一段暗く落ち着いたトーンになりますが、この光が回り込みすぎない静かな陰影こそが、店内のしっとりとした情緒やノスタルジックな雰囲気を最も自然に表現できており、非常にキレイで味わい深い仕上がりです。喫茶店というロケーションが持つ本来の雰囲気をストレートに大切にしたい時には、この自然光が作り出すライティングが最高の選択肢になります。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、壁に反射した面光源が顔全体に均一に回り込み、表情が一気に垢抜けます。さらに瞳の中に小さな輝きが自然に入ることで、菜穂さんの視線に強い力強さと透明感が生まれます。背景の落ち着いたトーンに埋もれがちだった目元の生き生きとした表情を的確に救い出し、被写体の存在感を最優先でクリアに引き出したいときに重宝します。

肘をついたシーンでのビフォーアフター

Before

自然光のみ

同じくこちらを振り返る魅力的なカットですが、光の捉え方でアプローチを変えています。自然光のみでは顔全体が日陰に入り、一段落ち着いたトーンにはなりますが、この静かで均一な陰影こそが、店内のしっとりとした情緒を最も自然に表現できており、キレイで味わい深い仕上がりです。喫茶店のノスタルジックな雰囲気をストレートに活かしたい時には、この自然光の描写が最高の選択肢になります。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、今度は天井に反射させた面光源が上方向から顔全体に均一に回り込み、表情が一気に垢抜けます。壁バウンスとはまた一味違う、まるで最初からそこに光があったかのような自然な透明感が菜穂さんの表情に生まれました。背景の落ち着いたトーンに埋もれがちだった目元のニュアンスを的確に救い出し、被写体の存在感を最優先でクリアに引き出したいときには、ストロボをONにする恩恵をダイレクトに実感できます。

トップライト(天窓)シーンでのビフォーアフター

Before

自然光のみ

頭上の天窓からの自然光が「トップライト」として機能しており、髪のトップやカチューシャ、そして肩のラインに非常にキレイな光のアクセントが当たっています。顔全体が優しく日陰に入ることで、眉下や鼻下、首元に生まれる深い陰影が、ドラマチックで引き締まった雰囲気を醸し出しています。この天窓特有の自然なライティングと落ち着いた佇まいは、演出された明るさにはない固有の美しさがあり、ストロボなしでも十分にクオリティの高い写真に仕上がっています。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、前方から壁バウンスさせた柔らかい光が回り込み、トップライトによってできた顔の不自然な影を綺麗に打ち消してフラットにします。天窓による髪や肩の美しい輪郭を100%残したまま、肌の透明感が一気に引き立ち、瞳にも少しキャッチライトが入ることで、表情が生き生きと明るくなりました。影による重さを綺麗に引き算し、よりクリーンで清潔感のあるポートレートに仕上げたいときには、これ以上ないシンプルな解決策になります。

定常光(左上の店舗照明)があるシーンでのビフォーアフター

Before

定常光のみ

光源の位置が固定されているために顔まで光が届いておらず、顔の右側や首元が大きめの影に沈んで露出のバランスがシビアになっています。とはいえ、この届かない光と遮られた影のコントラストこそが、レトロな喫茶店の情緒あるシチュエーションを最も自然に演出しており、これはこれで非常にキレイで味わい深いライティングです。お店が持つ本来の照明環境をそのまま味方にしたい時には、このストロボなしの描写が最高の雰囲気を残してくれます。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、左上からの店舗照明が持つ「レトロなお店の空気感」を100%残したまま、不足していた前方からの光が壁バウンスによってスマートに補われます。顔にできていた暗い影がきれいに打ち消され、肌のトーンが均一でクリアに仕上がっているのが分かります。既存の光が持つ温かみを大切にしつつ、モデルの表情や衣装のディテールを隅々まで洗練された印象に整えたいときには、非常に手軽で頼もしいアプローチです。

壁を背にしたアングルでのビフォーアフター

Before

定常光のみ

壁に近づいたことで、左上からの店舗照明による光と影のコントラストがよりシビアに出ています。顔の右側や組んだ腕に深いシャドウが生まれ、少し硬質で引き締まったトーンを形成しています。しかし、このエッジの効いた陰影こそが、背後にあるレトロなレンガ壁の立体感やお洋服のチェック柄の渋みをグッと引き立てており、非常にキレイで自然なライティングです。お店のクラシカルな雰囲気をストレートに活かしたシックな佇まいを表現したい時には、このストロボなしの描写が絶妙な味わいを発揮してくれます。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えると、背後にあるレトロなレンガ壁の暖かみのある質感をそのまま活かしつつ、前方から回り込んだ柔らかなバウンス光が顔全体のシャドウを自然にほぐします。肌の透明感が一段と引き立つだけでなく、お洋服のディテールまでクリアに浮かび上がり、写真全体のクオリティがフラットに底上げされました。暗く沈みがちだった表情をパッと明るく洗練させ、ポートレートとしての主役感をスマートに最優先したいときには、まさにうってつけの選択肢と言えます。

テーブルに肘を着いたポーズでのビフォーアフター

Before

自然光のみ

上体を前に倒して身を乗り出す魅力的なポーズです。店内の明かりの配置の関係上、菜穂さんの顔全体に大きめのシャドウが被り、全体的に深く落ち着いたトーンを形成しています。しかし、この光が抑えられたライティングこそが、手前のウッド調テーブルが持つ深い色味やシックな質感と完璧に調和しており、喫茶店のノスタルジックな静けさを最も自然に表現できていてキレイです。静かで大人っぽいニュアンスをそのまま写真に閉じ込めたい時には、このストロボなしの描写が絶妙なクオリティを生み出してくれます。

ストロボ ON(ワイヤレスバウンス)

スイッチをONに切り替えた瞬間、菜穂さんの顔に美しく均一な光が当たっているのが一目で分かります。不自然なギラつきを完全に排除した柔らかなバウンス光によって、暗く遮られていた菜穂さんの端正な顔立ちがパッと鮮明に浮かび上がります。瞳にも綺麗なキャッチライトが宿り、見つめる視線の透明感が一気に跳ね上がっています。テーブルの色味に負けることなく、被写体の表情のニュアンスや瞳のポテンシャルを最優先でクリーンに引き出したいときには、この機材の持つ機動力が存分に活きてきます。

Godox iT32の基本スペックや操作性は実機レビューで解説

今回のポートレート撮影で大活躍してくれた「Godox iT32」ですが、そのコンパクトなサイズ感や基本的なスペック、カメラに直接取り付けるクリップオン時の使い勝手など、機材そのものの詳細なディテールについては別記事で詳しくレビューしています。

ワイヤレスバウンスの機能性だけでなく、Godox iT32本体のコストパフォーマンスやバッテリー持ち、ボタン類の操作性が気になる方は、ぜひこちらの実機検証レビューも合わせて参考にしてみてください。

Godox iT32 外部フラッシュ レビュー|単体でワイヤレスにもなるトランスフォーマー
Godox iT32外部フラッシュを徹底レビュー。フリマアプリの出品写真を劇的に変える「ライティングの魔法」を比較画像で解説。スマホ全盛時代だからこそ差がつく、ミラーレス一眼に最適なコンパクトさと驚きの低価格。初心者が真っ先に揃えるべきコスパ最強ストロボを解説。

​屋外ロケーションでの35mmの描写力とスナップ検証

今回使用した35mmという絶妙な画角のレンズ。遮るもののない広々とした屋外の光の中でどのように被写体を捉え、撮り手の五感を刺激してくれるのか、別の視点から深く掘り下げた検証も行っています。

NIKKOR Z 35mm f1.8 S|撮り手の五感を満たすスナップポートレートレンズ
ニコンの常用単焦点レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」のポートレート実写レビュー。Z5IIのカスタムボタン割り当て機能を活かし、35mmと50mm相当を一瞬で切り替える圧倒的な機動性と、上質で素直なボケ味のメリットをフラットにお伝えします。


​スタジオや屋内を飛び出し、ストリートや自然光の中でのスナップポートレート撮影において、「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」というレンズがどのような空気感を紡ぎ出してくれるのか。
​そのポテンシャルをじっくり確認したい方はぜひ合わせて参考にしてみてください。

空間の光を操り、撮影の手間を引き算する

今回の喫茶店ポートレートを通じて、Z5IIに「Godox iT32」を装着し、ワイヤレス運用する具体的な変化をフラットに検証してきました。

いくつかのシーンで見ていただいた通り、手狭な屋内での撮影において、ストロボを焚くことが常に絶対の正解というわけではありません。窓から差し込む自然光や、店舗の定常光が作り出すしっとりとした陰影には、その場所の「生の空気感」をストレートに表現できる固有の美しさがあります。

無理に影を消し去るよりも、そのままのライティングを活かしたほうが情緒的でキレイに仕上がるカットも多々ありました。

しかし、一歩カメラのアングルを変えれば、顔全体が暗く沈んでしまったり、トップライトによる不自然な影が落ちてしまったりと、自然光だけに頼る撮影には露出の偏りというシビアな問題がつきまといます。

そうした場面で、このコンパクトな「Godox iT32」をシステムとして1灯用意しておくことには、非常に大きなメリットがあります。

ストロボを主役にするのではなく、現場の自然な光をサポートするためのスマートな道具。自分の表現したい世界観に合わせて、自然光の陰影を活かすか、それとも1灯の透明感を足すかをノンストレスに選択できる自由さこそが、この機材を導入する本当のコストパフォーマンスと言えそうです。

今回ご紹介したGODOX iT32はレシーバーとして、フラッシュ単体で分離できる画期的なフラッシュです。以下の記事で仕様を詳しく紹介しています。

Godox iT32 外部フラッシュ レビュー|単体でワイヤレスにもなるトランスフォーマー
Godox iT32外部フラッシュを徹底レビュー。フリマアプリの出品写真を劇的に変える「ライティングの魔法」を比較画像で解説。スマホ全盛時代だからこそ差がつく、ミラーレス一眼に最適なコンパクトさと驚きの低価格。初心者が真っ先に揃えるべきコスパ最強ストロボを解説。

ガイドナンバーは18と光量は控えめです。Z5IIの同調速度が1/200であれば、十分撮影可能ですが、同調速度が1/100以下のカメラは注意が必要です。お手元のカメラのフラッシュの同調速度を確認してみてください。

GODOX iT32は各メーカーに対応しています。以下のリンクから価格を確認してみてください。商品単体でレシーバーとして分離出来るフラッシュとしては、驚異的なコストパフォーマンスです。

GODOX iT32 SONY用

GODOX iT32 NIKON用

GODOX iT32 CANON用

GODOX iT32 OM SYSTEM & Panasonic用

GODOX iT32 Fujifilm用

コメント

タイトルとURLをコピーしました