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20年前の峠|4気筒の咆哮がVTR250の鼓動に屈した日

峠とVTR250の写真 バイク・車
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今の私は機材も生活も「実利(メリット)」を重視するスタイルに落ち着いていますが、20代の頃は全く逆でした。

当時、私が心酔していたのはHonda HORNET 250。 あのバイクの魅力は、何と言っても「音」にありました。

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「キーン!」という高周波の誘惑

20年も前の峠はバイクがたくさんでした。

4気筒エンジン特有の「フォーン!」という咆哮が、超高回転域に達した瞬間にカムギアトレイン独特の「キーン!」という鋭い音に変わる。あの官能的なサウンドに、私は完全にノックアウトされていたのです。

そんな私が峠に足を踏み入れるきっかけをくれたのが、当時ネットを通じて知り合った「主任さん」でした。

※写真は23年前の思い出。当時は「主任の部屋」というサイトを運営されていた主任さんに憧れ、峠の入り口に立っていました。

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VTR250への「偏見」

当時(20代)の私にとって、バイクの速さ=4気筒の高回転でした。 同じ250ccクラスのVTRに対しては、正直なところ「格下」というイメージを持っていたのです。 「ドコドコ」というVツインの排気音は、失礼ながらアメリカンバイクに近い「亀エンジン」のイメージ。スポーツ走行なら4気筒こそが正義だと信じて疑いませんでした。峠に居るVTRを見て (峠でVTR?マジですか・・?)

しかし、その思い込みは峠のタイトなコーナーの連続の中で、粉々に打ち砕かれることになります。

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赤い彗星|VTR250

タイトなコーナーを華麗に走る一台のVTR。 スペック上は私のHORNETの方が馬力があるはずなのに、HORNETや他の4気筒バイクで走るライダーよりペースが速く見える。ドコドコドコドコドコォォ!とVツインの音でペースが速い事に、私の脳は混乱しました。たまらず私は、一緒に走っていたHORNET乗りの仲間に聞きました。

「あの赤いVTRって、速いんですか?」

返ってきたのは、衝撃の一言でした。 「いや〜、ついて行けんね。」

エンジン何かいじってるんですか?

私は、もうその光景を目の当たりにして、居ても立ってもいられなくなりました。

目の前で起きている事実に、どうしても納得がいかなかったのです。スペック上、HORNETの方が間違いなくパワーがある。それなのに、なぜ他のもっと速いはずのバイクより、このVTRの方が圧倒的にペースが速いのか?

その答えは、エンジン内部に隠された凄まじいチューニングにあるに違いない。そう確信していました。(FCRキャブいれてる?それともボアアップか?)

モンスターなのはVTRじゃなく、ライダーなのか?

※一見すると外装等は変わってることがわかります。この赤いVTRの記事を深堀りしてほしい方がいればコメントや問い合わせからお願いします。別記事をかきます。

私は意を決して、そのVTRのオーナーに声をかけました。

「あの……このVTR、エンジンか何か、いじってるんですか?」

返ってきたのは、私の予想を遥かに超える、拍子抜けするほど「衝撃的」な言葉でした。

VTR乗り「いじっとーよ~。この前、イリジウムプラグに変えた。でも、そん時プラグコードの外れ掛かっとって、パワーの出らんで『なんでや?』って思ったっさね(笑)」

(……は? たった、それだけ?)

私の頭の中はパニックでした。イリジウムプラグに変えた。いやそれだけで、あの4気筒の咆哮を置き去りにするような走りができるのか?

いや、違う。そこで私は気づかされたのです。機材の性能を100%引き出すということは、スペックを盛ることではない。そして、その機材を「使いこなす側」の重要性。モンスターなのはマシンではなく、そのマシンの特性を手の内に入れているライダーそのものだったのだと。

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スペックではなく「実戦」で選ぶということ

その瞬間、私の中にあった「4気筒至上主義」というフィルターが完全に外れました。タイトなコーナーが続くテクニカルなコースにおいて、VTRの軽量な車体と、低中回転から粘り強く立ち上がるVツインエンジンの組み合わせがいかに合理的で、圧倒的なメリットがあるのか。現場で突きつけられた「事実」に、私の心は一気にVTRへと傾きました。

当時、その場所には最強の名を欲しいままにしていたNSR250Rや、圧倒的なパワーを誇る大型バイクが数多く集まっていました。

「速いバイクに乗って、速いのは当然」

正直なところ、当時の私にはそれがあまり魅力的に映りませんでした。むしろ、パワーが圧倒的に劣るはずのVTR250で、格上のマシンたちを翻弄することに、言いようのないロマンと機能美を感じずにはいられなかったのです。

当然、周りの仲間からは猛反対されました。 「なぜ、わざわざそんなバイクを峠で選ぶんだ?」と。

しかし、私には確信がありました。カタログスペックの馬力競争ではなく、このマシンのポテンシャルをどこまで引き出せるか。その「機材の魅力を追求したい」という衝動は抑えられず、驚くべきことに、そのわずか数日後にはVTRを契約していました。

「最新・最高スペック=正義」ではない。 自分の環境(現場)において、最も効率的で使いこなせる道具こそが最強。

これは、のちの私のガジェット選びの思想にまで影響する出来事でした。

現在40代となり、落ち着いた私が少し楽をしたいと思い選んだ車両はCBR250RR MC51です。普通ならCBR250RR→落ち着いたらVTRじゃないの?と思うかもしれませんね(笑)ここが私の他のライダーと違う面白い視点です。なぜ若気の至りから走り屋を経験後、40代でこの車両にたどり着いたのか詳しくレビューしました。

CBR250RR MC51レビュー 2023年式
20年連れ添ったVTR250からCBR250RR(MC51)へ乗り換え。主要4モデルの比較や燃費、世界戦略車ゆえの足回りの特性まで、カメラやPCを愛するガジェット好きの視点で本音をレビューします。

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